TOKYOファンドについて
TOKYOファンドの特徴
TOKYOファンドは、東京都が最大の出資者となり、東京都に関連する中小企業や小規模事業者の事業承継を支援することを目的につくられました。TOKYOファンドのテーマである「リレーションシップ(Relationship)」には、「関係・連携・親戚関係」といった意味があります。
- オーナー経営者様の経営理念を未来へ“承継”し、さらに社内外において“連携”を進めることで、次の大きなステージへ共に歩いていこうという想いを込めています。
- 中小・小規模企業に蓄積されている経営資源を次の世代へと“承継”し、本ファンドに出資する東京都内の金融機関や事業会社の全ての関係当事者が金融・産業・行政といった枠組みを超えて“連携”することにより、企業価値を更に高めて、事業の発展を実現します。
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東京都の中小・小規模企業、オーナー経営者の事業承継を支援
地方も東京も、中小企業・小規模企業が抱える問題は同じであるという視点で、事業承継支援の中立的プラットフォームとなって中小企業・小規模企業の事業承継と成長支援に関わる方々のリレーションを構築します。
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東京都が出資者として25億円を拠出
東京都が「中小企業の事業承継と成長をファンドへの出資を通じて支援する」ことを目的として最大の出資者となり、東京都内の中小企業や小規模事業者の事業承継を支援します。
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東京都をはじめとした公的なネットワークを活用
東京都が自治体として提供する支援メニューの活用をはじめ、中小・小規模企業の課題解決、成長支援のため、公的支援機関との積極的な連携を図ります。また、東京都が出資するファンドの投資先に選ばれた会社として、従業員や取引先にも安心感・信頼感を与えることができます。
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4
小規模企業の事業承継も対象に支援
小規模企業と日々接点をもち、事業承継問題への危機感を有している地域金融機関、小規模企業の事業承継問題に先んじて取り組んでいこうという事業会社の方々に出資を頂き、意欲溢れる小規模企業・オーナー経営者の応援団として事業の成長・発展を支援します。
ファンドとは何か
ファンドとは、投資家から集めた資金で企業の株式を取得して、株主として経営に参画しながら事業の成功を目指す事業体のことをいいます。大きくは次のようなプロセスで成り立ちます。
- 投資家から資金を集めてファンド(投資組合)を組成する
- 資本面、事業面で課題をもつ企業の株式を当事者との同意に基づいて保有する(投資実行)
- 投資後、株主として経営に参画しながら、課題解決を図る(経営支援)
- 数年かけて、最適な資本構成を実現して、株式の売却を行う(投資回収)
- 株式の売却によって得た利益をもとの投資家に対して分配する
ファンドを通じた課題解決
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人の問題“経営”を承継できる
人材がいない- 息子は会社を継ぐ意思がない
- 会社を継がせられる親族がいない
- 親族以外にも経営を任せられる人材がいない
- 息子は社内にいるが、経営者には向いていない
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金の問題“経営”を承継するにあたって
障害がある- 後継者候補と考える人材はいるが、株式を買い取る資金がない
- 経営は任せられても、会社の借金の個人保証まではさせられない
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株の問題“資本”の承継に関わる問題に
手を付けられないでいる- 親族や会社OB等、株式が分散してしまっている
- 先代が急逝し、会社経営に関わっていない奥さんが大株主になっている
- 株式の評価額が高く、息子に株式を譲れないままでいる
事業承継においてファンドを活用するメリット
近年、事業承継や資本の再構築のための1つの手法として、ファンドが注目されています。リスクマネーを供給する”投資家”という側面から、ともに事業の成功を目指す”経営パートナー”という位置づけに変わってきています。ファンドは、中小企業に対して多くのメリットを提供することができます。
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会社に色がつかない
- 取引先への影響がない
- 中立性が維持・確保できる
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会社を自立させる
- 社員の意識改革ができる
- 自立への意識と意欲が高まる
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会社を磨き上げる
- 企業価値を向上させる
- 会社を再成長軌道に乗せる
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役員・社員にチャンスを与える
- 社員に自立のチャンスを与えてみる
- 社員のことを思ったうえでの選択である
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社員も株主も目指す方向は同じ
- 会社の発展を共に願う応援団が確保できる
- いい会社になればなるほど選択肢は増える
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資本政策が柔軟に考えられる
- 株主の状況や事情に応じて対応ができる
- 直接の買い手として意思疎通がしやすい
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業界内に売却の噂が流れない
- M&Aを持ち込んだ相手には当然知られる
- 業界内で足元をみられずに済む
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本当にふさわしい相手を探す
- “選ばれる”のではなく、“選ぶ”立場に立つ
- 時間をかけて、得心できる相手を選ぶ
中小企業のオーナー経営者がファンドを選ぶ理由
- 自分の力では限界を感じていた。さらに会社を成長させてもらいたかった。
- 会社に“色”がつくと、商売に支障が生じるので、譲渡先は限られていた。
- 今の役員が経営を引き継いでくれるなら、それが一番良い方法だと思っていた。
- 今の社風や企業文化を維持したかった。
- 業界内で会社売却を検討していることを知られたくなかった。
- 相続を繰り返したことで、株主が分散してしまっていた。
- ライバル企業には売却したくはなかった。
- ファンドへの先入観が払拭された。会社を任せてもいいと感じられた。
Q&A
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TOKYO事業承継支援ファンド(以下、TOKYOファンド)は何をしてくれるのですか?
TOKYOファンドは、オーナー(株主)が保有する株式を譲り受け、新たなオーナーとして、社員の方々と共に、会社に必要な経営資源(人材等)を幅広いネットワークと経験で補いながら、会社の企業価値を高めていきます。
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後継者として社長が務まる人材が社内にはいないのですが、ファンドを活用することはできますか?
後継者となる経営者がいない場合には、会社に最も適していると思われる経営者人材を探してきて派遣します。
後継社長となる人材がいる場合は、管理部門の人材や営業担当の取締役等、後継人材をサポートする人材を派遣して支援します。 -
TOKYOファンドの投資対象となるのはどのような企業ですか?
東京都内に本社または、拠点のある企業を中心として、事業承継に課題を抱えている企業が対象となります。
年商1億円前後~30億円、従業員10名以上が一つの目安となります。 -
TOKYOファンドを活用する際に費用はどの程度掛かりますか?
買い手となる「TOKYOファンド」に対しては、何ら手数料や費用は発生しません。
売買の仲介を、アドバイザー等に依頼した場合には、アドバイザーへの仲介手数料等の費用が発生します。 -
TOKYOファンドもいずれ株式を売却するのですか?
社員の方々の自立心を養いながら、会社の価値を高め、次のステージに向けてバトンタッチします。その際の方法としては、「会社をさらに伸ばしてくれると考えられる事業会社へのバトンタッチ(譲渡)」「役員や社員や取引先による株式の買い取り」「株式上場」といった中から、会社の永続的な成長と発展を考えたときに最適と考えられる方法を選択します。
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TOKYOファンドの審査はどのようなステップで行われますか?
大まかには次のようなステップで審査が行われます。
『申込み受付』⇒『担当者との面談』⇒『投資審議書類の提出』⇒『事業計画の検討』⇒『投資委員会』⇒『投資決定』
審査には、最短でおおよそ3か月程度を要します。