株式会社ティ・ケー・エス

渋谷ヒカリエShinQs店

株式会社ティ・ケー・エス

設立
1975年3月
所在地
東京都港区
資本金
2,000万円
従業員数
179名(パートを含む)
事業内容
美容室、理容室、ネイルサロン、ブライダル事業の展開

Investment Story

日本プライベートエクイティ株式会社(以下、「JPE」)は、今般、東京都心をはじめ首都圏にて、美容室、理容室、ネイルサロン、ブライダル事業を展開する、株式会社ティ・ケー・エスとその関連会社(以下、「TKSグループ」)のオーナー経営者一族が保有する全株式をJPEがファンドを通じて保有する経営統括会社「TKSCホールディングス株式会社」にて譲り受けました。JPEでは、東京都を主たる出資者とする事業承継支援ファンド「TOKYO・リレーションシップ1号投資事業有限責任組合」(以下、「TOKYOファンド」)を運営し、TOKYOファンドを通じて、既に、都心で高品質・高付加価値にこだわった美容室の資本と経営を承継し、事業承継と成長戦略を支援していますが、本件も、美容室経営を統括するプラットフォームを通じて、美容業界の草分けでもある老舗の美容室チェーンの資本と経営の承継を支援するものです。

  • 丸の内東京ビルTOKIA店

TKSグループは、『Claude MONET(クロード・モネ)』や『Silk house(シルクハウス)』をはじめとする、複数のブランドで男女問わず幅広い年齢層のお客様を対象とした、高品質・高付加価値型の美容室を中心に首都圏で15店舗を展開しています。三越(日本橋・銀座)、伊勢丹(浦和)、そごう(横浜)をはじめとした百貨店内やHikarie(渋谷)、TOKIA(丸の内)、ガーデンテラス(恵比寿)といった商業施設への出店など、“トータルビューティーカンパニー”を掲げ、理容室やネイルサロン、ブライダル事業も展開する、業歴48年、美容業界の草分けであり老舗でありながら常に新しさを提供し、成長を続けてきた企業です。1975年3月、TKSグループは、その前身となるユイコーポレーションとして創業、同年、新宿花園神社の隣で『クロード・モネ新宿店』を開店しました。以降、48年間、TKSグループの実質的な創業者であり、オーナーであった永山和生氏は、『すべてはお客様のために』と、“美”を提供するサービス業であることにこだわり、築き上げたグループは、現在、約180名の社員とスタッフを抱えるまでになりました。そして、創業50年を目前に、組織としてもさらに変革を遂げて成長すべき時と考え、社員やスタッフ、そして、今後、集う仲間とともに、引き続き、“トータルビューティーカンパニー”として、“サービス業”を追求していくことを望み、そのために、TKSグループを新たな世代に託すことをオーナー経営者として決断されました。

昨今の美容業界は、価格競争や人材確保で競合が激しくなる一方、離職率の高さなど、業界特有の人事労務の課題や中小・小規模企業ならではの経営課題を数多く抱えています。こうしたなか、美容業界として抱える課題を乗り越え、業界で働く人たちの未来を描くためには、企業として次のステージを意識した組織経営への移行が不可避となっています。

TKSグループは、幅広いお客様に喜びを提供するトータルビューティーカンパニーとして48年、「顧客満足の追求」「人間的成長」「地域に対するコミットメント」を使命として、約半世紀にもわたる歴史を築き、着実な成長を遂げてきました。今回、JPEを経営のパートナーとして、資本と経営を継承し、美容室が“緩やかに大同団結”して形成するプラットフォームの一角を成すことで、創業オーナー個人の事業承継を円滑に実現し、同時に、社員のため、お客様のために、これからの新しい時代に対応した美容室のありかたを目指すというのが、今回、オーナー経営者が選んだ選択肢です。

今後、TKSグループは、JPEがファンドを通じて保有する経営統括会社のTKSCホールディングスが形成するプラットフォームに加わり、今の会社の経営理念、社風、店舗や事業体、働き方を維持しながら、組織やグループとして、より柔軟に成長することを目指します。

JPEでは、既に、TOKYOファンドを通じて、都心で高品質・高付加価値にこだわった美容室を展開するk’sInternational株式会社(以下、「コレットグループ」)の事業承継や成長戦略実現の支援を行っています。今回、TKSグループが、“TOKYO発のトータルビューティーカンパニーのためのプラットフォーム”に参画することは、美容業界にとっても大変有意義なものであると確信しています。TKSグループも、コレットグループも、いずれも東京で生まれ育った、“TOKYO発の美容室”として互いのブランドや組織文化を尊重しつつ、世界に通用する“美”を提供するサービス業を目指して歩んでいきます。TKSグループの社名に込められているのは、オーナー経営者である永山和生氏が理念として掲げた『感謝(Thanks)と笑顔(Keep Smiling)が基本』という考え方です。

本件の経営統括会社である、TKSCホールディングスの社名も、その理念を継承し、“Thanks”と“Keep Smiling”の3つの頭文字と、コレットグループが掲げる“美容のプロとして常に顧客を創造し、より多くの笑顔とコミュニケーションを創造する”という理念の“Communication”の頭文字で構成されています。プラットフォームを形成する2つのグループは緩やかに連携して一つの連合体を形成しつつも、頭文字の一つひとつのように、各グループ、各ブランド、各店、各人の個性はそのまま活かしながら、互いに高めあっていくことを目指します。

プラットフォームの核となる経営統括会社は、グループ企業の経営効率化に加え、経営が不在となりがちな美容室という小規模な組織の“経営”を請け負う会社でもあります。プラットフォームに参画するグループの経理や財務をはじめ、特に、人事労務等の管理体制に関しては、オーナー経営の時代から脱却し、グループを超えて整備し、みがきあげていく役割を果たします。経営という観点では、「経営計画の策定・実行」、「出店・M&Aなどのグループとしての成長」、「財務・労務・人事管理等の組織としての社内体制整備」といった役割を担い、企業価値の向上を実現します。また、現場目線では、「店舗とスタッフの統括・管理」、「店舗業務の効率化と推進」、「人材採用・育成・教育」、「顧客満足・サービス向上」など、現場の日々の業務の推進や負担軽減を図り、組織経営への移行を図ります。

また、JPEは、社外取締役として経営に参画し、それぞれのグループが自立しながらも緩やかに連携し、同じ目標を持った仲間として切磋琢磨しながら成長できる“プラットフォーム”の拡充に努めます。そして、プラットフォームを通じて、現場経験の豊富なプロパー人材の“経営人材”への登用や育成なども行っていくことで、美容室の新しい経営モデルの確立を目指します。

本件、TOKYOファンドが選ばれた詳しい理由・背景、今後の目指す姿については、お知らせのリリース文に詳しく記載していますので、ぜひご覧ください。
株式会社ティ・ケー・エスの事業承継支援のための投資を実行しました。